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疫学、統計の備忘録

統計検定1級 統計数理 2017 受験報告【上位 〜20% 不合格】

前の2つの記事と異なり不合格体験記です。
勉強不足を晒してしまっている記録ですが、合否を分けるボーダーラインの推測に参考になれば。

最初に各問題を見た感想。
 問1 歪度、尖度の計算?時間内にできる?*1
 問2 最尤法。頻出の分野。*2
 問3 ポアソン分布。これはある程度解けそう。
 問4 正規分布。苦手な条件付き分布。*3
 問5 確率密度関数の計算。ここ数年の過去問に出てなかったからあまり計算練習してなかった。


問1,2,3を解くつもりで回答開始。

問2 [1]尤度関数を出して、それを微分しての流れ作業でしょうとやり始めたが、微分できない・・・。どうすればいいかわからず、問2はあきらめる。問3へ。

問3 [1],[2],[3]は順調に解いて、[4]は何をすればよいかわからず。問1へ。

問1 [1],[5]は簡単だけど、[2]〜[4]が解けるかわからない。もし解けなかったら、問1の得点率は40%(= 2/5)となり合格は厳しいと思い、問1は回答しないで問4,5を選択することに。

問5 [1],[2]はなんとか回答できたものの、[3]の計算はいろいろやってもわからない。問4へ。

問4 [1]〜[3]までは順調に回答。[3]は条件付き期待値と条件付き分散を出し、正規分布の再生性を用いればすぐに分布は計算できたが、[4]では同じことができずどうすればいいのかわからなくなる。

問5[3]に戻るが、やはりわからず試験終了。


問3 [1]○ [2]○ [3]○ [4]x
問4 [1]○ [2]○ [3]○ [4]x
問5 [1]○ [2]○ [3]x

単純計算なら得点率は7割超えているので、試験後は受かったと確信していたけど不合格。
記述が不十分・不正確で減点されていたのかもしれませんが、敗因は1級の対策をした人なら確実に解ける問題しか解けなかったことかなと思います。

1級に合格するレベルなら問3[4]、問4[4]を完答できると思うので。(問5[3]は初見では制限時間がなくても無理)

後日送られた試験結果通知書によれば、「不合格者のうち、上位 〜20%」だったので、もう1問でも小問を回答できていれば合格していたかもしれません。

*1:歪度、尖度の定義の式をどの項が消えるかを考えながら展開していけば、それほど計算に時間はかからない問題だった。しかし、時間制限がある中では手を出しにくい・・・。

*2:最尤法はお約束の手順でほとんどの問題は解ける。ただし、母集団分布が一様分布や有限母集団(超幾何分布)のときは計算法が異なる。前者が今回の問題。後者はそのうち試験にでるかも。

*3:試験当時は勉強不足で、問4が2次元正規分布の問題と認識していなかった。

統計検定1級 統計応用(医薬生物学) 2017 受験報告【評価A 合格】

一般に資格試験の合格ラインの目安は得点率6割が多いと思いますが、
2017の統計応用(医薬生物学)で、得点率6割超えずに合格かつ評価Aという結果だったので報告します。

 

問1 生存時間分析。過去問とは違う切り口であまり対策していなかった問題。なので最初は問1を捨てて、問5を解き始めたものの[2]で詰まり問1に戻る。これで20分くらい時間ロス・・・。[2]までは対策していたので回答できたものの、[3]の途中で行き詰まってしまい別の問題へ。

 

問4 オッズ比。知らない用語もあるが問題文の流れにそって回答すれば簡単。この年の一番やさしい問題。[4]で付表5.指数関数と常用対数があるのに気づかず、指数関数のままで回答を記載。[5]は何を書いたか覚えてないが、公式の回答とは違っていた。

 

問3 第1,2種の過誤の確率。問題文の文章を数式にするだけ。丁寧に回答を書いているうちに時間がなくなり[3]までしか解けず。


問1 [1] ○ [2] ○ [3] △(計算途中で行き詰まる)[4] x [5] x [6] x
問3 [1] ○ [2] ○ [3] ○ [4] x [5] x
問4 [1] ○ [2] ○ [3] ○ [4] ○ [5] x

 

単純計算すると、得点率は6割に届くかどうかの微妙な結果でした。
受験直後は100%落ちたと思っていたので、評価Aで合格した結果を見たときは大変驚きました。n=1の感想ですが各問題の得点率に応じて何らかの得点調整がされていると思います。

統計検定1級 統計数理 2018 受験報告【評価S 合格】

2018年の統計検定1級 統計数理を評価Sで合格しました。

今後受験される方の参考になるかもと思い体験談を書きました。

 
試験開始。まずはどんな問題か確認。
 問1 カイ自乗分布。[3]までは解けそう。
 問2 超幾何分布。[4]までは解けそう。
 問3 条件付き期待値は苦手なのでパス。
 問4 2変量正規分布の条件付き分布。マルコフ性?パス。
 問5 順序統計量。範囲の分布も対策したから、全部解けそう。
回答を埋めやすそうな順で、問5→問2→問1と回答していくことに決定。

 

問5 まずX(i)の確率密度関数を導出。導出した結果を使って、[1],[2]を解く。導出の説明を丁寧に書いたため時間がかかってしまう。
[3]も同様に範囲X(i) - X(j)の確率密度関数を導出して解こうとしたが、導出を書くのに時間がかかりそうなので、暗記していた X(i) - X(j) 〜 Beta(i - j, n - i + j + 1)を使ってとりあえず問題を解く。
導出は後で書くことにして問2へ。

 

問2 [1] くじの並べ方をちゃんと書くほうがよいのだろうけど、時間を節約したいので、「くじ引きの公平性より明らか」として、確率を計算。
[2][4] 確率変数を分解して超幾何分布の期待値、分散を計算する方法は、対策済なので流れ作業で回答。
[3] 分母と分子の式の意味を説明したほうが良いと思いつつも、時間がないので数式のみを回答。
[5] 捕獲再捕獲法かなと思いつつ、計算式を思い出せず。

 

問1 [1] 毎年恒例の問題。[2],[3]ガンマ関数の計算問題だが、計算ミスをして思いの外時間がかかってしまう。ガンマ関数の計算練習をもっとしておけばと反省。[4] に来た時点で試験時間は残り10分ちょっと。考えてもわからなそうなので、別の問題で解き残したところをやることに。

 

問2 [4] E[X] = Xとして、N^を出せば良いと気づく。V[N^]出すなら、デルタ法なのかなと思いつつ、時間がないので以降は諦める。

問5 [3] X(i) - X(j)の確率密度関数の導出を書く。X= X(j), T= X(i) - X(j)として同時確率密度関数を書いたところで残り時間2分。周辺分布の計算の詳細を書く時間がなかったので、「Tの周辺分布を計算すると T〜Beta(i - j, n - i + j + 1)となる」と書いて時間切れ。

 

問1 [1]○ [2]○ [3]○ [4] ×
問2 [1]○ [2]○ [3]○ [4]○ [5]△(N^までしか計算できず)
問5 [1]○ [2]○ [3]○ (X(i)-X(j)の確率密度関数の分布の導出の記述が不十分かも)